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| 夕方、携帯が鳴った。Mちゃんからだ。
 ノノパパ 「どうも」
 Mちゃん 「ノノパパ?あのさ、カレー作ったから帰りによってって」
 ノノパパ 「いつも悪いなぁ。帰りに寄ります。」
 Mちゃんは、ノノママの幼馴染の同級生だ。私とノノママが付き合ってるときから、一緒に遊んだりしていた。ノノママと別れた後も時々夕飯のおかずを作ってくれる。
 私は、夕方6時くらいにノノに食事させるために一旦会社を出る。その帰りにMちゃんの家に寄った。
 
 |  | Mちゃんは、10年ほど前、結婚したときに新築した家に住んでいる。家は新興住宅街にあり、小さいながら庭もある。花を育てるのが好きで玄関の前には、いつも花が咲いている。
 そんな家の玄関口でインターホンを押す。
 「だ〜れ〜?」小2のK君がインターホン越しに返事をする。
 「あ、ノノパパ。」
 (ママ〜ノノパパ来たよ〜。玄関あけてちょ〜だい)家の中で声がする。
 ドアが開く。「よう!Kくん!」
 「ガガガガガ〜ぁ!」なにか手におもちゃを持って私に襲い掛かってくる。「おー!」思わず驚く!
 (こらKちゃんだめでしょ!)奥からMちゃんの声がする。
 (わるい、ちょっと上がって待ってて!Kちゃんノノパパをお部屋に案内して!)
 「ん?じゃこっちだよ!」K君は手に持ったおもちゃを飛ばすように両手をひろげて廊下を奥に駆けていく。
 「おじゃましま〜す」上がってリビングへ
 「ちょっと待ってて!」リビングからつながるキッチンでエプロン姿のMちゃんが、おひたしを切ってラップに包んでくれている。小柄できれいな奥さんだ。
 Mちゃんの旦那さんは、土木建築関係の仕事をしていて、各地の現場に長期出張していることが多い。殆んど母子家庭状態だ。
 私は、座って、テレビの脇のサイドボードの上にある小さな水槽を眺めた。金魚が3,4匹泳いでいる。
 
 
 |  | 私は、熱帯魚を趣味で飼っていた。結婚前は、結構まめに水槽の世話をしてきれいな水槽をいくつか持っていたが、段々手をかける時間が無くなり、今では、グッピーがいる水槽1つになってしまった。その唯一残った水槽も手入れする時間がとれず、ここ数年は水槽面にはコケが生え水草も伸び放題の状態だ。でも、とりあえず水質管理はしているので、グッピーが繁殖してごちゃごちゃ泳いでいる状態だ。
 そんなこともあって、いつもきれいになっているMちゃんの水槽を眺めていたのだ。
 Mちゃん 「おまたせ!、これカレーでこっちほうれん草。」
 ノノパパ 「いつもありがとうね。Mちゃんも忙しいのに悪いねぇ」
 Mちゃん 「んいいのよ。あ、水槽どうかした?」私が水槽を見つめていたのに気づいたのだろう
 ノノパパ 「いや、べつに。いつもきれいにしてるなぁって思って。」そう言うと急にMちゃんの表情が曇った。
 Mちゃん 「あのねぇ。あの、まえから言わなくっちゃって思ってたんだけど。ごめんなさい。」
 ノノパパ 「へ?どしたの?」
 Mちゃん 「あのね、ノノパパの熱帯魚、全部死んじゃったの。」
 ノノパパ 「へ?え?えぇ〜?何?それぇ〜?」
 Mちゃん 「あのね、、、、」
 Mちゃんの話は、こうだ。もう1年ちょっと前のことらしいのだが、ノノママが、グッピーいらない?と言ったらしい。彼女の話からの想像だが、おそらく外れてないだろう。
 ノノママ 「うちにごちゃごちゃ沢山いるのよ、めだかみたいなやつさ。気持ち悪いから少しもらってくんない?」
 Mちゃん 「でも、グッピーって熱帯魚でしょ?」
 ノノママ 「大丈夫大丈夫。うちの水槽なんかコケが生えてて汚いんだから。あれ飼うのが難しいなんて言ってるけど、旦那が飼えるんだから金魚と一緒よ!今度持ってくるから。」
 っとまぁこんな感じだろう。数日後ノノママは、十数匹くらいのグッピーをビニール袋に入れて持ってきたらしい。そしてそれを金魚の水槽に放した。その日の夜には全部死んだそうだ。たまたま帰っていたMちゃんの旦那さんがみて、「これ、ろ過器がいるんじゃないの?」といってエアーポンプをつなぐ金魚用の小さなろ過器を買ってきたらしい。事の次第をノノママに話すと、「わかった、きっと少なかったから寂しくて死んだのよ!今度もっといっぱいもって行くわ!」
 数日後、今度は、数十匹持ってきて水槽に放した。もちろん朝までには、全て死んだそうだ。
 ノノパパ 「あのね。熱帯魚は、冷たい水では生きられないのよね。」
 Mちゃん 「ごめんなさい。」
 ノノパパ 「あ、Mちゃんが悪いんじゃないから気にしないで」
 Mちゃん 「...」
 ノノパパ 「ほんと、全然気にしなくていいから」
 私は、ありがたくおかずをもらって帰路についた。
 
 |  | ちょっとかわいそうだった。グッピーは、繁殖力が強く環境さえ良ければ直ぐに増える。そもそも1つの水槽で繁殖し放題にして置くのは、グッピーの飼い方としては既に失格なのだ。このグッピー誘拐殺害事件の責任は、ノノママにあることは明白だし、Mちゃんは被害者に近い。
 後日私は、ノノママにそのことを聞いた。
 ノノパパ 「Mちゃんに聞いたよ。熱帯魚のこと。持ってったんだって!」
 ノノママ 「ああ、そんなこともあったっけ。」
 ノノパパ 「ちょっと、それはないんじゃないの?」
 ノノママ 「なに言ってのよ!、もってかれても気づかないあんたが悪いんでしょ!」
 
 ごもっとも か・も? ん? ま、いいか。
 
 
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